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インドネシア~インドネシアで会社を設立する時の注意点

2013 年 4 月 5 日

先日、3月末までインドネシアのジャカルタに行って参りました。

今回は、提携先の弁護士の方と一緒に現地の会計事務所・法律事務所で
お話を伺ってきました。

ジャカルタへの直行便は成田からしか無く、羽田からシンガポール経由で
入国し、日本との時差は2時間ほどです。

到着早々驚いたのは、大使館情報です。

ジャカルタ市内のテロの話と、タクシー強盗の話が記載され、旅行者が
乗ってよいタクシーのブランドまで掲示されています。

戦々恐々としながらタクシーで宿泊先のホテルに向かいました。

ジャカルタ市内では、現地のローカルバスも危険という情報(大使館)で、
メトロもありません。

路上には物売りと物乞いをかなりの数見かけ、現地に十分慣れないと、
旅行者が一人で歩いて散策するのは難しい状況です。

ただ、人口の半分が30歳以下というピラミッド構成で、まさにこれからの国、
という感じでした。

今回の旅行でも現地の専門家の方々にお話を伺い、現在(25年3月)時点で、
インドネシアで会社を設立する時の大まかなフローをご説明していきます。

 

《インドネシアでの会社設立時のフロー》

〇投資許可の取得(ネガティブリストの確認)

〇定款作成

〇納税者番号の取得

〇銀行口座の開設(資本金の払い込み)

〇法人登記

〇各関係省庁への営業許可・申請手続

 

『投資許可の取得(ネガティブリストの確認)』

インドネシアの外資規制で『ネガティブリスト』というものがあり、
インドネシアにとって必要のない、もしくは有害とされる産業は投資規制
されるか、100%日本からの投資は認められていません。

ネガティブと書かれていますが、ほとんど普通の事業です。

例えば、ローソンやファミリーマート等のフランチャイズでの小売や、
飲食業など外国資本は必要ないと考えられる事業は皆ネガティブなのです。

インドネシアに進出する際はまずは投資調整庁のネガティブリストを
確認することが先決です。

また、インドネシアに新しく会社を作る場合は、最低株主が2人必要と
なります。

ここで、ネガティブリストに行いたい事業が入ってしまった場合は、
100%日本資本の会社が作れないということなので、インドンネシア資本
(会社・または個人)を入れる事になります。

ただ、身元が分からないインドネシア人に株主になってもらうことも、
事業を拡大する上では難しいですよね。

その場合、ブラックですが、名義貸しをお願いする事も良くあるそうです。

この場合月当たり最低1,000ドルからという事ですが、所轄官庁に見つかった
場合、罰則は免れません。

 

『納税者番号の取得』

日本では、会社を設立しても、給料が発生するか、決算の時期に
ならなければ、申告書の提出も納税も発生しません。

ところがインドネシアでは、会社を設立した途端に決算申告書(試算表)を
提出することになります。

また前年度の法人税を12ヶ月に渡って分割納付(前払で仮納付)し、
消費税(VAT)も毎月納税します。

そのため、会社に設立より先に納税者番号を取得することが必要になります。

日本よりもはるかに税金の納付に関しては厳しい制度です。

 

『銀行口座の開設(資本金の払い込み)』

ようやく銀行口座を開設し、資本金を払い込むのですが、まず1,000万円を
入金し、最終的には約3,000万円を払い込む必要があります。

最低資本金は約3,000万円です。

日本では資本金は、会社ごとに払い込みますが、インドネシアでは、
1事業につき約3,000万円です。2つの事業を行う場合はトータルで
約6,000万円が必要です。

特にメーカーでは5,000万円の資本金となるので、中小企業では、かなりの
先行投資になってしまいます。

簡単に異業種に進出できませんよね。

 

『法人登記』

投資許可の取得から始まって、法人登記まで約3ヶ月かかります。

 

『各関係省庁への営業許可・申請手続』

ここから各関係省庁へ営業許可・申請手続を行いますが、この営業
ライセンスを取得するまで最低3ヶ月(業種によっては1年近く!)かかります。

事業を開始するまでにとんでもなく時間がかかりそうです。

費用はここまで会社の設立、営業許可まで中小企業向けのコンサルタントに
お願いして、100万円?200万円かかるということです。

また、雇用規制の問題があり、ビザの取得につきインドネシア人も
雇う必要が出てきます。

他の新興国でも同じですがインドネシアでは外国人1人の就労につき、
3名以上雇わねばなりません。

加えてインドネシアは労働者保護に重点をおいた政策を採っているため、
退職時には相応の退職金を支払う必要があります。

つまり簡単に人が雇えないという事です。

賃金が他国と比較して低いから目立ちませんが、今後所得が増加してくると
無視できない問題ですよね。

 

メルマガを読みなおすと、ネガティブな話ばかり(ネガティブリストでは
ないですが(笑))になってしまっていますが、宿泊したホテルの真横には
日本どころではない!豪勢なショッピングモールがありました。

入っているお店も、店内のデザインも斬新で既に日本を凌駕している部分が
あるな・・との思いを強くしました。

サービスをしてくれる人の感じも良く、人口動態から見ても、一般市民が
購買力を付けた時の潜在力はもの凄いものを感じました。

次回は税務他について、ご説明していきます。