Columnコラム
復興税制について~23年度税制改正も含めてご案内します
2012 年 3 月 16 日ようやく15日で確定申告が終わりました。
今日はいつもより「ホッ」としながらメルマガをお送りしています。
皆さんはグローバル企業というと、どの様な会社を思い浮かべますか。
トヨタ自動車やソニー、最近だとユニクロで有名な
ファーストリテイリングでしょうか。
ところが、リーマンショック以降、従業員50名以下の中小企業でも
海外に支店やブランチを開設する会社が増えてきました。
私のクライアントの社長の中でも、日本からシンガポールに本社を
移動させ、家族で引越された方もいます。
ただ、「円高だから」、「海外の方が成長性が高いから」・・
と言って安易に海外(特に中国)に進出された企業は、逆に利益が
出ない、中国企業の経営がうまくいかない。と、撤退されています。
この二つの流れを見ていますと、海外で成功する企業の特徴は、
〇「経営者が現地の経営を直に見ている」
〇「現地の企業と比較して、差別化が出来ている」
事だと思います。
ちょっと地味ですが、建設機械を製造しているコマツの坂根会長が
『ダントツ経営』という本を書かれています。
コマツは、他の日本企業がデフレであえぐこの2000年代に新興国を
中心に売上高を倍増させた数少ない企業です。
ここには海外でどのように日本企業が戦うべきか、「マネジメント」、
「生産(製品)」、「営業」の視点から解説しています。
日本では当たり前でも、場所(海外)が変われば、差別化になる
場合もあります。
グローバル化の視点は会社の規模とは関係無い時代になってきたのかも
しれません。
今日はちょっと遅くなりましたが、そろそろ適用される会社も
現れてくる頃なので、復興増税と、23年度税制改正のご案内を
していきます。
減税(↓)増税(↑)を矢印で解説おきました。
1.復興増税
〇法人税(↑)
●法人税額の10%を上乗せ
●3年間
●平成24年4月1日以後から3年間の間に始まる事業年度
のちほど23年税制改正と合わせて解説します。
〇所得税(↑)
●所得税の2.1%を上乗せ
●25年間
●平成25年から49年までの25年間
ざっくりですが、給与が800万円で、夫婦と子供が二人の家族の場合
年間7,000円の増税となります。
〇住民税(↑)
●均等割1,000円
●10年間
●平成26年から35年までの10年間
2.23年税制改正
〇法人税
●法人税引き下げ(↓)
◎大企業
30% ⇒ 25.5%
◎中小企業の軽減税率(所得800万円以下)
22%≪18%≫ ⇒ 19%≪15%≫
※≪≫内は24年3月末まで
復興税制と23年度税制改正を加味すると
◎所得800万円以上・・▽1.95%
◎所得800万円以下・・▽1.5%
結局いずれにしても2%弱の減税に過ぎません。
●減価償却 法定耐用年数の縮減(↑)
固定資産を購入すると、すぐには経費になりません。
法定耐用年数にしたがって、建物以外は定率法で
毎年少しずつ償却していきます。
今回の改正は、定率法の償却率が縮減されました。
計算式では難しいので、具体例を挙げて解説します。
たとえば100万円の自動車を購入したとします。
今までは 417,000円の償却費がとれたものが
改正後は 334,000円の償却費しかとれなくなり、
83,000円利益が増加します。
※24年4月1日以降に取得したものから適用されます。
●中小企業等基盤強化税制の廃止(↑)
●中小企業者等の教育訓練費にかかる特別税額控除制度廃止(↑)
上記の増額分を加味すると実質イーブンで、減税とはとても言えません。
3年後の復興税制が終わるころから、ようやく数%の減税効果を得る
事が出来る・・という感じでしょうか。
24年度については、昨年のように未成立で終わる可能性もあるので
成立後改めてご案内します。
しかし24年度税制改正は増税以外に見るべきものは余りありません。
政府は、26年、27年度の「社会保障・税の一体改革」で、消費税も
含めて一気に変えてしまおうとの考えがあるようです。
今後数年の税制改正には十分な注意が必要です。
改正の詳細がお知りになりたい場合は気軽にご連絡ください。