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未上場株式 時価の引下げ方法について~その2

2010 年 10 月 21 日

10月に入ってからようやく涼しくなってきました。

私は汗かきなので今年初めてタオル地のハンカチを使ってみましたが、
使い心地が良く、止められなくなりそうです。

これからの季節はゴルフをする方にも絶好の気温ですね。

ラウンドする機会がありましたら、是非お誘いください(笑)

 

前回から引き続き、『未上場株の株価』を低くすることができるのでしょうか?

という質問の2回目の回答です。

今回は、『グループ会社の新設』についてご説明します。

これは、非常に単純な方法なのですが、思った以上に効果的です。

特に事業を子供に継がせたい。ただし、何人かいて誰にどの事業を
任せるか迷っている場合にも使える方法です。

 

まず、現在業務を行っている会社(以後A社と呼びます)以外に
別会社(以後B社と呼びます)を設立します。

このB社を使ってA社の株価を引き下げていきます。

こう書くと、誰にでも今すぐできると思われがちですが、
クリアしなければならない条件もあります。

 

主に問題となる点を挙げてみると

●得意先や仕入先に対して不安を抱かれないか

●銀行等債務者との関係を良好に保てるか

●大手取引先とのアカウントを保持できるか

●許認可が必要な業種の場合どうクリアするか

●税務署からの「同族会社の行為計算否認」規定の適用はないか

といった項目がピックアップされます。

 

そこでまずB社(新会社)の設立において、気をつけなければ
いけないポイントを挙げてみましょう。

 

『B社(新会社)設立のポイント』

〇地域

〇会社名

〇代表者

〇株主

〇銀行

まずB社設立を行う上で、上記の5項目に気をつけます。

 

具体例には、

『地域』
事業が複数県にまたがっている場合は、他県に新会社を
設立します(複数社でも構いません)

『会社名』
名称はなるべく似ている会社名の方が得意先に不信感を抱かれません。

「株式会社大塚商会」という会社の場合、「株式会社大塚商会」から
「大塚商会株式会社」(前株から後株へ変えただけ)または、
「式会社オオツカ」と名前を付けた企業もあります。

『代表者』
代表者は事業を継がせたい御子息が良いですが、A社の代表者
でも構いません。

『株主』
株主は事業を継がせたい御子息にします。

『銀行』
銀行はA社が使用している銀行を使用します。

「会社名」がほぼ変わらない場合は、請求書の「口座番号」と「住所」が
変わっていてもなぜか大部分の得意先は不審に思わないようです。

 

B社を設立してからは、得意先及び仕入先の取引を徐々に
A社からB社へ移していきます。

これを行うことによって、A社の売上高、利益額は減少します。

その後A社が赤字決算になると、今まで蓄積してきた利益も取り崩す事に
なるので、A社の株価が下がり、B社の株価が上がってきます。

A社が赤字になるB社との取引は税務署対策として十分注意が必要です。

手っ取り早く「資産等」の移動をしたい、という人もいるかと思いますが、
22年10月からグループ税制が施行されたのでこちらも注意が必要です。

ある程度長いスパンを経て行う方法なので、一挙に株価を下げたいという
要望には向かない方法ですが、確実にかつ安全に株価を下げることができます。

「未上場会社の株式」は取り引きされないにもかかわらず、
相続時は非常に多額の課税をされる可能性があります。

これはオーナー社長にとっては、事業を継がせたくても継がせられない
大きな要因となっています。

 

少しでも納税の心配なく、事業を安心して継続していける様になれば、
まだまだ頑張れる中小企業はたくさんある!と願っています。