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決算前1ヶ月でできる節税対策~短期前払費用について

2012 年 3 月 3 日

最近TIMEを購読し始めたのですが、2012年2月20号に興味深い
記事が載っていました。

今年上場するFACEBOOK社の役員上位5名の1年間のサラリーと、
株式公開した時の持株の価額です。

$1=¥80と換算します。

マーク・ザッカーバーグ(CEO)
サラリー 1億2千万円
株式時価 2兆2,400億円

シェリル・サンドバーグ(C00)
サラリー 24億8千万円
株式時価 1,520億円

デビッド・エバースマン(CFO)
サラリー 15億2千万円
株式時価 474億4千万円

マイク・スクローパー(最高技術責任者)
サラリー 20億円
株式時価 357億6千万円

セオドア・ウリオット(法務担当責任者)
サラリー 5億6千万円
株式時価 289億6千万円

上位5名の経営幹部のサラリー年間トータルが66億8千万円という
とんでもない額になっています。

これが、年間売上高800億円の会社(FACEBOOK)の経営幹部の
人件費です。

売上高の8%が経営幹部の人件費となっています。

他の有名企業の会社の売上高対報酬比率と比較すると

〇アップル
売上高 2兆800億円
報酬比率 2%

〇コストコ
売上高 1,200億円
報酬比率 1%

〇ゴールドマンサックス
売上高 6,720億円
報酬比率 0.8%

〇ゼネラルエレクトリック
売上高 9,600億円
報酬比率 0.7%

〇マクドナルド
売上高 3,920億円
報酬比率 0.5%

〇ウォルマート
売上高 1兆2,800億円
報酬比率 0.5%

経営幹部の報酬は最高でもアップル社の売上高の2%となっています。

フェイスブックの経営幹部に対する報酬が会社の売上高と比較して
如何に多額であるかお分かりになるかと思います。

株主からの訴訟が多く、日本と比較すると役員のリスクが高い
アメリカならではの報酬だと思います。

一生懸命頑張った人に報いていく、これがインセンティブになり
会社の活力になっていく事は間違いありません。

ただ、アメリカの場合、富裕層・投資家への優遇は極端なので
今のままの税制だと、貧富の差が拡大していくでしょう。

翻って日本ですが、24年度の税制改正も高給をもらっている
サラリーマンへの課税が強化されています。

税金は確かに所得の分配機能を附持していますが、努力して稼ぐ人に
対する課税と比較して、生活保護政策の手厚さはどうでしょうか。

両国とも極端な政策です。

間を採る様な政策があれば一番良いのは間違いないと思うのですが。

 

では今日の本論ですが、
3月決算が間近なので、一般に良く使われている節税対策に
ついてもう一度考えてみたいと思います。

意外と条件をクリアしていない場合もありますので、ちゃんと処理を
おこなっているか、チェックしてみてください。

事業年度末に利益が出てしまった場合、保険や家賃などの前払いを
1年分行われた方も多いかと思います。

では1年分前払いする場合の条件はどのようなものなのでしょうか。

条件を〇で示してみました。

全ての条件をクリアしているか確認してみてください。

 

〇一定の契約に基づくもの

契約書に月払いから1年前払にする変更条文を入れておくことや、
支払う相手先の合意を取り付けておくことが必要です。

 

〇継続してサービスの提供受けるために支払ったもの

サービスの『質』『量』ともに毎月一定である事が必要です。

具体的に認められる費用は、

●土地・建物の賃貸料

●生命保険の保険料

●機械装置の保守料

逆に認められない費用は、

▽月刊誌の購読料
物品の購入代金を前払いしたに過ぎないため前払金となります。

▽来期の社員旅行費用
毎月均等の費用ではありません。

▽ファイナンスリース料
税務上は売買取引とされます。

 

〇『支払った日から1年以内』にサービスの提供を受けるもの

事業年度が4月1日~3月31日の場合

●サービスが翌4月~9月までの半年間の時

3月末に翌半年分(4月~9月)を支払った場合
認められる。

●サービスが翌4月~3月までの1年間の時

3月末に翌1年分(4月~3月)支払った場合
認められる。

●サービスが翌4月~3月までの1年間

2月末に翌1年分(4月~3月)を支払った場合
認められない。

※翌3月末までサービスを受けるのですが、支払いを当期の2月末に
してしまっては、『支払ってから1年以内』ではなくなって
しまいます。

 

〇『支払った日』が含まれる事業年度の経費とするもの

支払っていなければ、前払費用としての経費は計上できません。

 

〇支払の仕方を継続させるもの

1年前払いしたすぐ後の期で、毎月支払いをしてしまうなど合理性が
ない支払の変更をすると、前払費用としての経費計上はできません。

 

〇販売費一般管理費の項目であり、販管費総額の5%以下であるもの

会計上の重要性の観点から金額を指摘される場合もあります。

 

税務調査では『1年分の短期前払い』はかなり厳しく
チェックされる項目です。

節税を行うときは、用意周到な準備をしてください。

税務署にどこから突っ込まれてもから良いように、「理論武装」と
「準備」を行うことが、追徴課税”0”円になる近道です。

質問がある場合はお気軽にご連絡ください。