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法人保険の見直しポイント その2 適切な法人保険の金額は?

2010 年 1 月 29 日

今回は私が寄稿している「企業実務」
~中小企業のための法人保険リストラ講座~
2010年2月号『日本実業出版社』
からの抜粋でお届けしています。

中小企業の社長が入る法人保険について、
「無駄な保険に入ってしまった・・」
「過去からの保険を見直したい!」
との相談が来ます。

日本実業出版社の編集局から
今一度生命保険に入る意義
について考えてほしいとの依頼がありました。

 

●中小企業に生命保険が必要な理由は4つ

①保障
もちろん保険に入る一番の目的です。

②貯蓄
定番の役員・従業員の退職金。
最近は従業員の年金の原資として
保険が活用されています。

③利益の繰延
税制の変更と最近の不況で
逓増定期保険等のニーズは減少していますが、
計画的な納税を行うためには、必要なツールです。

④銀行対策
近年決算書も銀行対応が求められています。
格付けを下げないためには
含み益のある資産を貯める必要があります。

赤字になりそうな場合、保険の益出しを行うことで
銀行向けの決算書を作成します。

 

経営者の方から「じゃうちは幾らくらい保険に入れば良いの?」
という質問をよく受けます。

 

●絶対必要な保険金額の算定

上記のポイントの中で、まず、「企業が存続」
するためには「最低どの程度の保障」が必要なのかを
算定していきます。

 

『キャッシュフロー上の最低必要資金額』

まず予測キャッシュフロー(資金繰り表)を作成します。

次にフリーキャッシュフロー(現預金残高)額が
ショートしている年度を合計します。

平成22年;▲500万円
平成23年;▲100万円
平成25年;▲300万円

まずは、そのショート額を補填する金額合計900万円が、
最低必要資金額となります。

 

『損益計算上赤字にならないための資金額』

固定費を賄うだけの売上総利益を上げるためには、
売上高を上げるしかありません。

その売上高を上げるために
幾らぐらいの仕入を行うかを算定します

※売上を上げるための仕入れが
資金繰り難のためできていない前提です。

予測損益計算書の経常利益の赤字額を合計します。

平成22年;▲600万円
平成23年;▲50万円
平成25年;▲400万円

次に経常黒字のために必要な仕入金額(原価)を算定します。

1,050万円+固定費3年分(450万円)=1,500万円・・粗利益
1,500万円÷40%=3,750万円・・売上高粗利益率を40%とします。
3,750万円×60%=2,250万円

つまり2,250万円で仕入を行い、
売上を3,750万円上げることができたなら、
売上総利益は1,500万円となり、
経常利益は通年で赤字になりません。

 

決算書は格付けも含め、
金融機関及びリース会社の評価を受ける
という前提で作成するべきです。

そのため今後も借り入れの等の予定がある場合は、
決算書の赤字は何としても避けなくてはなりません。

固定費(経費)の削減ができない場合は、
最低限キャッシュが無いため仕入れができない
(売上を作れない)という機会損失は避けるべきです。

したがって、保険で必要な最低保障額は、
900万円≦必要保障金額<2,250万円となります。

いかがでしょうか。

不明な点がありましたら、ご連絡ください。