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所長コラム

相続税~最近の相続税調査、狙われているのはここだ!

2014 年 8 月 21 日

本日はお知らせですが、10月1日午後14時から17時まで、金融財務研究会の後援で
「最新タイ進出の実務・留意点」のセミナーを行います。

タイ現地駐在員が実際に直面する最新の会計・税務・ファイナンス・労務他の
問題について解説します。

クーデター等もありタイへの企業進出は一段落と思われていますが、2015年の
アセアン統合を控え東南アジアのハブとしてタイに進出する企業はますます増加
してきています。

メーカーからサービス業まで日系企業も5,000社を超えましたが、実際に進出
した企業の現地担当者のリスクは親会社の日本企業に余り報告されていません。。

 

そこで、

(1)現地駐在員の目線で一からタイで会社を設立する場合の問題点

(2)利益が増加してきた場合の節税対策や、利益をどのように日本に還流させるか

(3)実際に現地で行われているM&Aや最新の税務問題

について解説していきます。

 

講義内容のプログラムですが、

1.会社の設立
●株主割合について
●ビザ(ワークパーミッド)
●資本金について

2.タイでの会計・税務問題
●会計基準と監査制度について
●法人所得税について

3.現地駐在員の税務問題
赴任時の所得税・住民税・源泉税

4.現地赴任時の労務問題
●赴任時の社会保険・労働保険
●社員が赴任した時の給与設定
●海外赴任者規定

5.タイでのM&A
●デューデリジェンス
●株式の評価
●M&A税制
●タイ特有の株式問題

6.タイ子会社のファイナンス
●助成金
●融資制度(クロスボーダー融資・親子ローン他)
●リース制度

7.タックスヘイブン税制の適用について

8.外国税額控除

3時間なのでたっぷりお話しできるかと思います(笑)。

タイに興味のある方、もしくは今後タイに進出する予定のある企業様は是非
皆さんお誘いの上お越し頂ければ幸いです。

お申し込みの場合は、経営調査研究会HP http://www.kinyu.co.jp/ からか
又は直接宮原までメール頂けますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

 

さて本日は『相続の調査』についてお話していきます。

先日久しぶりに相続税の調査がありましたので、最近の調査がどのように
行われているかご報告していきます。

今回の相続は24年6月に発生し、申告は25年3月に行ったのですが、申告後
5ヵ月目の8月初旬には調査が入りました。

場所は東京都で、被相続人は居住用・賃貸用不動産と金融資産があり、基礎控除
を少し超えてくる程度の課税財産をお持ちでした。

結論から述べると今回の修正申告のポイントは3つでした。

 

1.預貯金

まず預貯金ですが、相続が発生した日をまたいで数日の間に相続人が自身の
通帳にある程度の金額を移動させてしまいました。

相続人は自身が貸したお金のため、故人が亡くなるなると同時に銀行口座
が閉じてしまうために慌ててお金を移動させたのですが、税務署はそうは
見てくれません。

故人にお金を貸した形式上の証拠である「金銭消費貸借契約書」があるか、
または故人が「お金に困っていた」という実態の両面で証明しないと、
お金を貸した事にはならないとのことです。

事業を行っていない普通のご家族であれば、親子間での貸し借りに
「金銭消費貸借契約書」はまず作りません。

故人に貸したお金であっても、相続発生時に「相続人の口座」にお金を
入れてしまうのはいらぬ誤解を生んでしまうので行わないでください。

また相続申告をする時は、「お亡くなりになった日の残高証明書」を銀行から
提出してもらいますが、亡くなる日の銀行の〆の時間での残高証明書なので
午前中に出金したお金は残高証明書には入りません。

故人が使う目的のお金は構いませんが、相続人が引き出す場合は特に
お亡くなりになる日の前後は気を付けてください。

 

2.有価証券

証券会社から相続時に取り寄せる有価証券の残高証明書には単位株しか
載っていません。

端株分は、配当等を出す企業側が把握していますが、この端株分も支払調書で
税務署は把握しています。

細かい話ですが、税務署の情報収集力は侮れません。

 

3.不動産

賃貸不動産をお持ちの場合、やはり気を付けなければならないのが空室の有無
です。

「一時的に空室だった」と調査時に言い切れるのは

(1)アパートの各部屋が継続的に賃貸されている

(2)募集が行われている

(3)空室の間他の用途に使われていない

(4)空室の期間が短期間である

場合なので、上記を総合的に判断された場合、相続発生時に空室がある場合は
賃貸していない、とみなされてしまう場合もままあるかと思います。

また相続後、賃貸物件を取り壊す場合でも、調査時に税務署員にその話を
してしまうと「相続発生時に空室があっても募集を行っていないのではないか」
と勘繰られてしまうので、税務調査時はそのような話をしないことが肝要です。

いずれにしても今回の調査では仏壇や故人の寝床周りまで周到に調べて
いきました。

 

通則法が改正になった影響もあってか手続きも厳格になってきているので、
相続時に納税がある場合は、必ず調査が入るという前提で相続申告を行った
方が良いでしょう。

改めて「相続対策は重要」ということが思い起こされる調査でした。