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税務調査について~調査のポイントとは

2011 年 11 月 4 日

最近また弊所のクライアントに税務調査が入りました。

例年と比較して余りに多いため、東京都、神奈川、埼玉等関東近県の
税理士の友人に聞いてみたところ、やはり全ての県で税務調査の頻度が
高まっているようです。(税務署は否定しますが)

前回のメルマガについて、かなりの方から税務調査についてもう少し
詳しく知りたいとの返信が来ました。

確かに税務署からいきなり調査に来られては時間も費用も取られて
しまいます。

しかし、税務調査前にきちんと準備(スケジュール対応及び事前準備)を
すれば、ある程度心の準備もできてくるものです。

今回の調査官は会社のどのような内容について調査をしにくるのか、
もう少し詳しく説明していきます。

調査に限らず、日常の取引についても見返してみて、税務調査が
来ても怖くないよう準備してみてください。

 

会社に対する税務調査は法人税、源泉所得税、消費税、及び印紙税に
ついて行われますが、その中心は法人税と消費税です。

前回のメルマガでも記載しましたが、納税に繋がらない調査(調査官の
成績につながらない)は余り行われません。

そのため黒字の法人への調査が頻繁に行われます。(赤字の法人では
所得金額がプラスにならない限りは加算税(罰則金)も賦課されないため)

ただ、赤字法人の税務調査は消費税、源泉所得税を中心として
行われます。(所得が赤字でも納税させることが可能なため)

そのため、最近は赤字法人でも調査が全くないということは
ありません。

では具体的に調査のポイントはどこなのでしょうか。

 

1.法人税調査

〇売上金額と売上原価

●棚卸高の前年比、もしくは増減が著しい場合の原因は何か。

●売上高粗利率は前期もしくは同業者の業績と比較して異常は
ないか。

●期末直前の仕入高と棚卸高の比較上異常はないか。

●売上高が異常に増加している月はあるか。

●借受金・前受金の中に収益として計上できるものはあるか。

●売掛金の回収状況に問題はないか。

 

〇人件費と源泉徴収

●在職者もしくは退職者について在職の記録はあるか(架空人件費)。

●源泉徴収は適正に行われているか。

●給与と法定福利費及び福利厚生費のバランスは適正か。

●外注先毎の出来高を前年比で検討し、異常な増減があるか及び
源泉徴収を適正に行っているか。

 

〇保険料

●積立部分(資産)と費用部分(経費)が適正に処理されているか。

●保険料の中に給与となるべきものはあるか。

 

〇修繕費と資産計上

修繕費と資産となるべき部分の区分が適切になされている証拠資料が
あるか。

 

〇交際費

●経営規模、取引慣行、競争関係、必要度、事業目的からみて
交際費の計上は適切か。

●交際費と収益の増減はバランスがとれているか。

●個人が負担すべき費用が含まれていないか。

 

〇現金預金

●出納帳は記載されているか。

●現金過不足の処理は適切か、また日々の金額はどの程度か。

●現金保有高は適切か(金庫に保管できている金額か)。

●帳簿残高は預金残高と一致しているか。

 

〇売掛金・受取手形・未収入金

●売掛債権の合計額に対して、買掛債権の合計額が比例しているか。

●売掛債権の残高と相手先の照合は妥当か。

●売掛債権の回収状況に異常な点は無いか。

 

〇貸付金・仮払金

●役員に対する長期の金額は無いか。

●原因不明・または使途不明のものは無いか。

 

〇仮受金

●収入となるべきものは無いか。

●前期と比較して異常な増減は無いか。

 

2.源泉所得税調査

●現物給与ではないか。

●住宅の貸与(家賃等)もしくは譲渡(低廉譲渡)の取扱いは適正か。

●服や靴等、日常品支出は個人の給与ではないか。

●従業員(役員)に対して現金供与もしく無償貸付けはないか。

●自社製品の値引き販売は無いか。

●保険料の会社負担に対する妥当性(給与の可能性)

●社員旅行等の負担に対する妥当性

 

3.印紙税調査

〇課税文書であると指摘された場合

●調査時に見つかった場合は、印紙額+その2倍(計3倍)

●自分から申し出た場合は印紙額+過怠税(印紙額の10%)

 

4.その他

〇同族会社

●役員給与及び役員退職金が不相当に高額であるか

●個人的な費用を会社経費として処理していないか。

 

かなり実務チックな内容をお話しました。

しかし、毎日上記のチェックポイントを思い出しながら会社の
おカネを使ってみてください。

税務調査の時に、調査官に痛くもないは腹を探られることは
確実に少なくなると思います。

より詳しい調査対応(もしくは調査準備)について聞きたい方は
いつでもご連絡ください。