Columnコラム
金庫株について~自社株を購入した時のメリットとは
2012 年 8 月 3 日今日は始めにお知らせをひとつ。
8月10日に東京商工会議所本店(有楽町)でセミナーを開催する事に
なりました。
『組織再編のプロが易しく解説「中小企業を継ぐとき、M&Aを行うとき、
閉めるときの税金の考え方」&M&Aの専門家がアドバイス』
http://event.tokyo-cci.or.jp/event_detail-45030.html
簡潔に言うと内容は、中小企業の事に業承承継についてです。
1.中小企業(未上場企業)の株価の引き下げについて
2.中小企業の事業承継について
3.中小企業の事業の辞め方
中小企業のM&Aについても解説していきます。
午後18時30分から2時間ほどお話ししますので、ご興味のある方は
是非お出でください。
もちろん無料です。
最近中小企業の方々の元気がありません。
日本を支えてきた「自動車」・「ゼネコン(建築・土木)」・「家電」の
3事業が元気がないのですから、その大本を支えている中小企業も
元気がないのは当たり前かもしれません。
加えて、電気料金の高騰、円高、税金(社会保険)増額とこちらも3重苦です。
また、技術・ノウハウでは十分良いものを持っている企業があるのに、
今度は継承する人がいません。
今ここで経済環境と人そして将来に企業を紡いでいく体制を整えて
置かないと、取り返しのつかないことになりかねません。
今一度、中小企業から日本の将来を考えていく時間にしたいと思っています。
さて、本日は金庫株(自己株式)についてです。
上場企業では新聞を賑わせている「自社株買い」ですが、未上場企業では
どの様な影響があるのでしょうか。
まず「金庫株」の概念は「自己で保有している株式のこと」です。
〇M&Aで金庫株の使用はできるでしょうか。
●新株を発行する代わりに金庫株を売り手の株主に交付できます。
●M&Aに伴い発行する株式を抑えられるため、
買い手企業の株主構成の変化も抑えられます。
〇株価に影響はあるのでしょうか。
●売り手企業の株価が高い場合は、自社買いにより株価を下げることが
できます。
自社株買いは配当と同じで内部留保を取り崩す効果があります。
そのため、時価純資産価額法での株式評価では減額できます。
〇株主が自社に株式を買わせたときはどうなりますか?
●株主が自社に株式を売却した場合、売却代金の一部は「みなし配当」と
され、総合課税となります。
そのため、給与所得等と合算されるため、最大税率は国税・地方税
合わせて「50%を超える」可能性があります。
〇相続の時に会社に自社株を買ってもらった時はどうなりますか。
●相続時に会社に株式を買ってもらった場合は「譲渡益の20%のみ」の
課税で済みます。
●この譲渡益にかかる所得税は、相続の時に支払った相続税から
差し引くことが可能です。(相続の申告期限から3年以内)
未上場会社でも事業承継(相続対策等)で金庫株を用いるメリットは
あります。
より有効な自社株のスキームを考えてみることも面白いかと思います。
不明な点がある場合はご連絡ください。