Columnコラム
22年税制改正について~グループ法人税制;個別処理の内容
2010 年 6 月 9 日さて、今回はグループ税制の個別の処理についてご説明します。
グループ法人税制には主な個別制度として、以下の制度が創設されました。
施行後の企業の対応策も含めて解説します。
●資産の売買(譲渡取引)を行う場合の損益の計上の仕方
グループの外に資産を移転した時に
最初に資産を所有していた法人が
損益を計上します。(損益の繰り延べとなります。)
※個人や外国法人がグループの頂点となっている場合には
相続や国外の売買時の適用の可否に注意が必要となります。
●寄付金の取り扱い
寄付を行う法人は全額経費とならず、
寄付を受け取る法人は全額収入となりません。
●資本取引の取り扱い
①現物配当(みなし配当)について現物配当を行った場合は、
譲渡損益の計上が繰り延べられます。
※今後グループ内で現物配当を
おこなう企業が増加する可能性があると思います。
②受取配当の益金不算入について
100%子会社からの配当を益金不算入にすることができます。
※今後子会社からのグループ全体の資金調達を
親法人に一元化し、100%子会社から
配当を受けて資金調達の返済に充てる
グループが出てくる可能性があると思います。
③株式の売買(譲渡取引)
グループ内で自己の株式を引き取る(金庫株)
取引を行う場合は譲渡損益の計上を行いません。
また持ち合い株式の譲渡を行う場合も譲渡損益の計上を行いません。
※「繰り延べ」ではなく「計上をしない」ということに
なるため、グループ内で譲渡益を計上してから
グループ外へ譲渡するだけで譲渡益分だけ節税ができます。
●中小企業向け特例の扱いについて
親会社が5億円以上の100%子会社で、子会社の資本金が
1億円以下の企業は確実に増税となるため早めの節税対策が
必要となります。
現在の中小企業には大まかには以下の特例が適用されています。
①軽減税率 所得800万円まで税率22%(現18%)
②欠損金の繰り戻しによる税金の還付
③交際費 600万円まで一定額経費計上
ほか
いかがでしょうか。
不明な点がありましたら、ご連絡ください。