Columnコラム
25年末までに行うべき手続き~株のクロス取引にはお気を付け下さい!
2013 年 12 月 10 日まずお知らせですが、タイの支店開設に伴い、12月から当社の名称が変更に
なりました!
【宮原税務会計事務所 → ラムチップ・パートナーズ国際税務会計事務所】
【(株)ラムチップ・コンサルティング → (株)ラムチップ・パートナーズ】
早いもので先月で創業から14年経ちました。
今月から第2創業と銘打ち、新たな気持ちで頑張ります!
東南アジアに進出の際はアテンドも致しますので、お気軽にお問い合わせ
ください。
今週は、今年最後のバンコク出張です。
すでに初日からタイ企業の現地調査(デューデリジェンス)のスケジュールが
入ってしまいました。
今回は日本の上場企業がタイの現地法人を買収するためのお手伝いですが、
思った以上にタイではM&Aが活発ですね。
確かに2015年のアセアン統合を見据えて、東南アジアの中心であるタイに
橋頭堡を築いておくことは理にかなっていると思います。
アセアン統合は関税・投資・ビザを無くすことで東南アジアを欧州の様に
一つの経済圏にしようという試みです。
日系企業が集積して、日本の工場地帯となってきたタイでモノを作って、
今後成長していく東南アジア全域に供給するモデルは、今や当たり前に
なってきているのですね。
さて、
今日は残り後1ヵ月となってきた平成25年末までに行っておくべきものを
ピックアップして解説します。
□上場株式の譲渡と配当にかかる軽減税率の廃止
平成25年12月末日を持って「上場株式の売却益や、配当」にかかる税率10%が
廃止され、「平成26年1月1日以降は税率20%」となります。
そのため含み益のある株式は一度益出しをして、売却直後に同一銘柄の株式を
再取得する『クロス取引』を行う方もいると思います。
が、『会社(法人)』で『クロス取引』を行って「含み益を出す」ことは
できません!
平成12年の税制改正でもともと売買の目的で購入した有価証券を除いて
『クロス取引』による売却益(及び売却損)は認められなくなっています。
『会社』で『クロス取引』での益出しは行わないで下さい!
ところが
『個人』が同様の『クロス取引』を行った場合は、売却益は認められます。
そのため、25年末までに売却益を出した場合と、26年1月1日以降で売却益を
出した場合は、税率が10%異なってきます。
100万円の売却益が出る場合は、税額で10万円の差額が出てきますので、
『個人』の投資家の方は年末までの益出しを急いだ方が良いかと思います。
□25年年末調整でのチェックポイント
そろそろ会社で年末調整を行うための資料が総務(又は会計事務所)から
配られてきているかと思います。
そこで平成25年度の変更点及びチェックポイントを確認していきます。
〇給与総額が1,500万円を超える場合の給与所得控除は「245万円」の定額
昨年までは給与額2,000万円の給与所得控除は
●24年まで
2,000万円×5%+170万円=270万円
●25年以降
2,000万円・・・245万円
となり、
270万円-245万円=25万円
25万円の控除が出来なくなり、給与総額が1,500万円を超えると給与所得控除が
245万円で打ち止めとなってしまいます。
〇退職所得に対する増税
●通常の退職金にかかる税額の計算方法は、
(退職所得-控除額)×1/2 = 退職所得の金額(A)
(A)に税率を掛けたものが退職金にかかる税金となります。
ところが今年度の改正で
●入社から退職までの期間が「5年以内」の役員がもらう退職金の「1/2」
控除が無くなりました。
『前提』
△退職所得控除額800万円
△退職所得2,000万円
とした場合、
▽24年までの退職所得
(2,000万円-800万円)×1/2=600万円
▽25年以降の退職所得
2,000万円-800万円=1,200万円
差引
1,200万円-600万円=600万円
課税される退職所得が倍になってしまいました。
これは役員である勤続年数が「5年以下」の人の退職金に適用されます。
いわゆるキャリア官僚の天下りの防止とされていますが、中小企業でも
該当する役員がいれば気を付けてくださいね。