Columnコラム
HSBC香港 口座開設について~その2
2011 年 5 月 31 日前回に引き続きHSBC香港 株式口座開設についてお話します。
ちょっと逆説的になりますが、前回からのお話は、株式の投資口座を開く
ことが目的ではありません。
ここまでお話しておいて何だと思われるかも知れませんが・・
過去と異なり、先進国であれば必ずGNPが上昇する時代ではないと
思っています。
また逆に新興国と言えど、かつての先進国がたどった様な一本調子の
成長を長期に持続させることも難しいと思います。
つまりは、グローバル化した投資フィールドの中で、かつ商品が多様化
している時代では、「日本での円預金」「日本での不動産投資」の一極
集中ではリスクが高いのではないか・・というお話です。
自分の財産をどのように守っていくか、その判断の「きっかけ」になれば
幸いです。
さて、換金後ブースに戻ってくると、投資を行う場合は、マネージャが
対応するということで、男性マネージャがにこやかに現れました。
違うブースに案内され、今度は投資に関する説明についての
書式の記入を求められました。
日本を出る前にインターネットで下調べを行い、口座開設については、
事前資料がありましたが、投資に関する記入情報は全くなく、
かなり面くらいました。
最近日本の証券会社も、ようやく投資商品に関する説明を行うように
なってきましたが、HSBCはかなりシビアな対応です。
〇どのような投資姿勢なのかの説明を求められ、また
〇その商品のリスクはどのようなものなのかの説明をしてくれました。
『投資に関する質問』
●投資目標
●投資をしている年月(経験)
●持っている資産の中で、どの程度の割合を投資に振り向けるか
●今回選ぶ商品は、どのような基準で選んだのか
●どの程度損失(もしくは利益)がでたら、該当商品を売却するのか
●どの程度の期間、商品を持ち続けるつもりなのか
上記の回答を行わせ、自身の投資に対する性向を把握させるという
方法を取ってきました。
『投資性向』
●安全型
●少しリスクを取る型
●バランス良くリスクを取る型
●少々冒険型
●投機型
のいずれかの性向に自身をあてはめ、それに向いている商品を
販売していくという方法です。
ちなみに私は「バランス型」に当てはまりました。
記載を求められる資料は英文ですが平易で、わからない場合は
マネージャに何度でも説明してもらえます。
私も最後の質問の内容が良くわからず3~4回説明を求めましたが、
いやな顔ひとつ見せず、丁寧に対応してもらえました。
実際は株式の購入は日本で行っているのですが、投資の経験が無い
というと、より説明が丁寧になりました。
次に何を購入するのか、有価証券は決まっているのかを尋ねてきます。
香港メインボード(H(株))の資源関連の株式と、HSBCが組成している
B国の投資信託を購入すると言うと、
それを選ぶのはなぜだ?
と聞いてきました。
もともと日本の証券会社から薦められたのですが、自分のカンだと話すと
良いカンだ、と誉められてしまいました(苦笑)
ただ、B国は新興国のため、「バランス良くリスクを取る型」の私には
向いていないと思われたらしく、このリスクを取って大丈夫かと何度も
確認をとられました。
日本では証券外交員の説明を聞いたと自署押印を求められますが、
HSBCではテープに説明を聞いたことに対する返事をさせられます。
この後、インターネットでマネージャの説明を聞きながら上記の有価証券を
購入していきます。
ネット上で投資に関する全ての情報と、売買が完結するようになっており、
日本の証券会社のネット取引と比較すると、こちらのセキュリティもかなり
シビアでした。
●ユーザーネーム
●パスワード1
●パスワード2
もしくは
●ユーザーネーム
●パスワード1
●セキュリティデバイスコード
※このデバイスは毎回ネットバンクを使うときに番号が変わる
すぐれものです。
いずれかを選択することができ、このハードルを越えないと取引自体が
できません。
マネージャの説明を聞きながら、購入自体は20分程度で終わりました。
投資に対する手数料は有価証券総額のトータル6%程度の手数料を
取られました。
日本の取引と比較するとかなり高額です。
デイトレードには向かないな・・と思いました。
香港では、有価証券の売買、受取配当金(資本取引)に対する税金は
かかりません。加えて消費税もかかりません。
余談になりますが、22年11月に香港と日本の間で租税条約が
締結されました。
※正確には「中華人民共和国特別行政区政府」
香港は現在タックスヘイブンですが、日本と租税条約を締結したことで、
事業活動における源泉税の徴収額が軽減されています。
※詳しくはお問い合わせください。
この後、銀行を出て、一度ATMでキャッシュカードを使ってみます。
こちらも全てマネージャと一緒に説明を聞きながら回ってもらえました。
ちなみに、香港にいる間に残高証明でも構わないので、一度カードを
使わないとアクティベーションされないようです。
以上全ての事項を行って2時間程度でした。
最後はマネージャから今後他の人が口座を開くときは是非私を
紹介してほしいと名刺を相当数渡され、握手をして別れました。
※バックナンバーは事務所HPにございます。